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7月2日

 
 桑名市指定天然記念物 『芳ヶ崎(はがさき)のクロガネモチ』

 ■ 指定樹木の診断
今回は指定樹木の診断でした。 三重県の巨樹・巨木にも掲載があります。
 クロガネモチ  樹高15m 葉張り 24m 幹周囲 3.44m。 まるで モンキーポッドのような樹形だ!

(この〜木、なんの木、気になる気になる。日立のCMです。)



 この写真では、大きさがわかりにくいから、残念です。  

 さて、今回は、このクロガネモチの樹冠上部の枝が透けたように元気が無い・・・とのご相談。
 事前にある程度の話を聞いていたので、高所作業車を準備して、現場へ。

高所作業車上から眺める。  上から診ると・・・確かに葉が矮小化し、薄い感もある。
これは周囲の建物との位置関係と(風あたり)
樹種がクロガネモチなので、そんなには問題では無いと判断。

しかし・・・よ〜く近づいてみると、問題あり!だった。


ルビーロウムシの大量発生。 樹冠最先端部には、ルビーロウムシがびっしり。
これでは、新梢の伸びが悪くても当然。  

すこし解り難いので、別の写真で説明します。 左上の写真が、ルビーロウムシの雌成虫になります。
その他の3枚が、3齢幼虫になります。 
薬剤を散布するなら、今です。 今が最終のチャンスになります。 幼虫がもっと大きくなると、薬剤の効果は極端に悪くなり、ほとんど効かなくなります。
今回も、
『すぐにでも薬剤散布の手配をしてください。』 と助言をしました。

まずは直接的な原因を排除して、それから時間をかけて変化を見たいものです。 樹木診断は時間がかかるものなのです。

 しかし・・・・1回の散布ではまず、ダメだろうから、また時間をおいて見学に行くつもりです。


 追記。 
 上記の月桂樹に薬剤散布を行いました。 散布日は7月10日です。   自社圃場にて、診断で実際に説明したやり方と全く同じ方法で行いました。

  ・・・で、どうなったでしょうか?


散布して2週間後の写真です。 この写真では少々解り難いですが、中身がスカスカになって居ます。
ルビーロウムシが生きていれば、右の写真のように穴を空けた時に、中身の体液(??)か、赤い汁が出てきますが
すでにスカスカになっていて、全くでてきません。 つまり、死んでいる・・・・ 薬剤散布の効果と言う事です。



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