TOP
>> 樹木医日誌 >> 日誌H25 >>
2月21日

 キンメツゲの生垣の枯死。
 ■ キンメツゲの部分刈れ → 全体枯れ。
今回の相談は、キンメツゲが枯れると言うもの。 早速、現場へ行って見ると・・・ 部分枯れではなく、樹全体が枯れている。
しかも、複数本。 一体何が原因なのか??

 
施主さんの話では、最初はこのような部分的な物だったが、段々と拡がって、最終的には全部枯れた! という。
ここ説明の信憑性は判らないが、少なくともそのように感じたという事は、枯れが拡がっているという事だろう。

 これが全枯れ部分。 4本が枯れていた。

 原因はなんだろうか??
葉をよく見てみると、すす病が付いている。 
部分枯れの起る原因にはなりそうだ。 では、なぜ病気が出たのだろうか??
 枝を見ると何やら、黒いものがびっしり付いている。 なんだこれ?? とにかく、持って帰って調べてみよう。

 ■ カイガラムシか?
 
枝を持ち帰り、検鏡する。
 カイガラムシのように張り付いています。  最初は、カイガラムシかと思いましたが、コナジラミのようです。

 
『エゴノキコナジラミ』 http://tamagaro.net/whitefly/40.html

 
(※ 姿形が似ているだけの判断で、完全な同定ではありません。)

その後の調査で、『エゴノキコナジラミ』と判定しました。 詳細はこちらのウエッブサイトをご覧ください。
『TAMAGORO.NET』 さんの エゴノキコナジラミ のところです。
Ilex(モチノキ科)での記録は初めてのようで、石黒樹木医事務所も少しはお役に立てたようです。

平成25年10月更新         



さて、こいつがエゴノキコナジラミでは無いとしても、吸汁性の害虫であることは間違いないであろう。 だとすると、すす病の原因は、コイツの可能性が高い。

マシン油剤を数回に散布して対応した。 今現在、(平成25年6月)このコナジラミの個体数は、かなり減っている様子です。
また今年の冬季にも同じ対応はするつもりでいます。 

ただし、今現在も(6月)枯れは止まっておらず、全部枯れるキンメツゲがある。  やはり主原因は、この害虫ではないのでしょう。

 別の場所での撮影です。 
 キンメツゲの部分枯れは、注意してみると結構な頻度であるようです。
 
 このケースでは、エゴノキコナジラミの存在は確認できませんでした。
 
 キンメツゲは一体、何故枯れているのだろうか・・・・・(悩)


TOP //  H25